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死後事務委任契約の結びかた

死後事務委任契約とは

 

死後事務は委任契約

 

そもそも、死後事務は委任契約です。

委任契約は本来、当事者の一方の死亡により終了します(民法653条)。

しかし、裁判所は死後事務委任契約は契約として認められることを示しました。(最判平成4年9月22日判決・東京高裁平成21年12月21日判決)

この判示により、死後事務の委任契約が、当事者一方の死後に始まる委任契約として有効である根拠となっています。

 

死後事務はどこに頼めばいいの?

 

ご自身が高齢となり、相続人が居なかったり、また配偶者も高齢である場合、ご自身の死後の事務がご心配になる方も多いと思います。

また、ご自身が管理されてきた先祖代々のお墓の永代供養や墓じまいも、ご自身亡き後に希望している場合もあると思います。

これまでは、亡き後の手続きは、ご家族が行うのが一般的でした。

しかし、核家族化・お子様のいないご夫婦、生涯単身で暮らす方が増え、これらの手続きを担う人がいない方も増えてきています。

 

そのような、ご自身亡き後の事務処理は誰に頼めばいいのでしょうか?

 

死後事務委任契約を結ぶ相手方

 

死後事務委任契約は、

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 行政書士
  • NPO

など、法律の専門家が行っていることが多いです。(参照:終活 4つのこと 死後事務の委任)

死後事務委任契約に適した事柄

 

死後事務委任は相続人が居ない方に必要な事務委任ですが、相続人がいる場合、委任者のその後の地位は、相続人が承継します。

その場合、死後事務委任の受任者と、相続人との間で、意見が一致せずもめごとが起こる可能性も出てきます。

ですので、死後事務委任契約には、もめごとの起きる可能性の低い、委任者の死後の身辺整理に関することで、出来るだけ短期に終了する事務に限定して取り決めておくことが肝要です。

 

例えば、

  1. 親族や知人への死亡の連絡
  2. 葬儀・埋葬・納骨の方法
  3. 病院や介護施設への精算
  4. 生活用品の整理・処分
  5. 年金などの届け出事務

などです。

 

各自治体での取り組み

 

各自治体によっては、死亡通知の連絡先や、埋葬の場所などの聞き取りを行って登録し、保管する「事前登録カード」の取り組みをしている自治体もあります。

この活動は、死後事務委任そのものの受託では無く、前もって状況を聞き取る事により、専門家につなげたり、準備を促す為の取り組みです。

まずはご自身のお住まいの自治体に、「事前登録」の取り組みをされているか、ご確認されるのが良いかと思います。

 

最後のご希望を叶えるために

 

ご自身亡き後、誰にも迷惑を掛けずに葬儀や埋葬を執り行って欲しい、と希望される方は多いと思います。

銀行に預貯金で葬儀費用を残し、埋葬費用として欲しいと考えていても、相続人が居なければ、その預貯金を引き出すことが出来ず、国庫に帰する結果となり、ご自身の希望を叶えることができません。

最後のご自身のご希望を叶えるため、死後事務の委任をご検討されておくことをお勧めします。

 

当事務所へのご相談はこちらから承ります。

 

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