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【失敗しない!】生命保険金は遺産分割の対象になるの?

生命保険金はだれのもの?

 

生命保険金の平均額は、40~50代の男性で、1,600万円程度と言われています。

また、預貯金や不動産などのめぼしい資産は無くても、多額の生命保険金に入っているケースもあります。

 

では、生命保険金は相続財産となり、遺産分割の対象になるのでしょうか?

同様の問題は、遺族補償や遺族年金、死亡退職金にも起こります。

被相続人が、保険料を掛け、のこされた者に受益を与える、という実質から見ると、遺贈に準じて考えてもいいのでは?という疑問も生じます。

 

結論から言いますと、生命保険金は原則として遺産分割の対象にはなりません。

以下ご説明してゆきます。

 

受取人の指定がある場合

原則として、生命保険金に受取人の指定がある場合、保険金は受取人固有の財産となります。

ただ、この場合にも例外はあります。

例えば、相続人が複数いる場合に、他にめぼしい相続財産が無い、または多額の生前贈与を生前に受けていた場合に、生命保険金が相続人の一人のみに受取人として支払われるような場合です。

このような場合には、他の相続人との間で、不公平が生じます。

 

最判(平成16・10.29民集58巻7号1979頁)に、以下のような判示があります。

被相続人が加入した養老保険金について、

「保険受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合」

に特別受益として持戻しが認められる。

としています。  参照:特別受益と持戻し

 

受取人の指定が無い場合

被相続人が、受取人を指定していなかった場合には、保険会社の規約に従い、各相続人で均等に配分します。

この場合でも、生命保険金は、相続財産となるのではありません。

 

例外的に相続財産になる場合

例外的に相続財産になり得る場合は、生命保険金の受取人を被相続人自身にしていた場合です。

この場合は、被相続人の死亡によって生命保険金が被相続人に帰属し、その相続財産を、相相続することとなります。

 

失敗しないポイント

生命保険金は、被相続人なきあと、のこされた家族の経済的な支えとなるように、準備しているものだと思います。

その生命保険金が、相続人の間に不公平を生じたり、もめごとの火種となることは避けたいものですね。

 

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