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6.272021
寄与分(きよぶん)とは?
寄与分ってなあに?
例えば、被相続人が父、共同相続人が子供3人であるときを想定しましょう。
子供のうち1人は、早くに家を出て、独立して生計を立てています。
もう一人は父の事業を手伝い、残りの一人は病気の父の介護をしていたとします。
兄弟姉妹の相続分は均等割りですが、被相続人に寄与した割合はそれぞれ違うと思います。
上記の例のように、共同相続人の中に、被相続人の事業に協力して財産的価値を高めたり、療養看護に努めたりして、被相続人の財産の増加・維持に貢献したものがいる場合には、相続人の財産の中に寄与分が含まれると考えます。
寄与分と認められるには?
では、寄与分と認められるには、どのような要件が必要でしょうか?
- 共同相続人であること
- 寄与行為をすること
- 「特別の」寄与と評価されること
- 被相続人の財産の維持・増加があること
- 寄与行為と被相続人の財産の維持・増加との間に因果関係があること
ここで大切なことは、寄与分が認められるには、「特別の」寄与があったと認められることです。
つまり、通常の家族間の扶助・扶養義務を超える貢献があったと認められることが必要です。
かつ、その寄与に対して、相応の対価や補償を得ていない事が必要となってきます。
寄与者への相続分は?
法定相続分で寄与者の相続分を計算する場合、どのようになるのでしょうか。
まず、被相続人が相続開始の時に有していた財産から寄与分を控除し、残額を「みなし相続財産」とします。
そして「みなし相続財産」をもとに、法定相続分で各自の相続分を計算します。
寄与者は、これに寄与分を加算して相続分とします。
前回の「特別受益と持ち戻し」と、逆の計算をすることになりますね。
寄与分を考慮した遺言書を
家族の中で、事業への貢献や、家族の世話に特に尽力した者がいる場合、遺言書でその貢献を考慮した配分を考える事が出来ます。
そして、感謝の気持ちやその相続人に特に厚く遺産を残した心情を、付言事項としてしたため、相続人に伝えることも可能です。
当事務所では、遺言書の作成サポートを承っております。
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