ブログ

【失敗しない!】遺産分割の3つの手続きと4つの分割方法

遺産分割ってどうしたらいの?

 

被相続人が死亡し、相続が始まると同時に、被相続人の財産は相続人に移転します。

そして、相続人が複数いる場合には、相続財産は共有となります。

 

遺産分割とは、その、遺産の共有状態を解消し共有となっている財産を各相続人に分配する手続きのことです。

 

では、各相続人に財産の所有を帰属させるには、どのような方法があるのでしょうか?

 

遺産分割の3種類の手続き

 

遺産分割の種類には、以下の3種類があります。

  1. 協議による分割
  2. 遺産分割調停
  3. 遺産分割審判

 

順にご説明してゆきます。

1.協議による分割

協議による分割とは、被相続の遺言が無い場合に相続人全員で遺産分割についての協議(話し合い)をすることを言います。

この話し合いの中で、誰がどの財産をどれくらい相続するのか、話し合います。

この話し合いがスムーズに進み、全員が納得する遺産分割が出来ることが望ましいと言えます。

 

2.遺産分割調停

 

協議による分割で決着がつかない場合には、家庭裁判所で調停委員に入ってもらい、話し合いによる解決を目指します。

これを、遺産分割調停と言います。遺産分割調停では、各相続人の分割方法や配分の希望を聞いて、合意による解決を目指します。

 

3.遺産分割審判

 

遺産分割調停でも決着がつかなかった場合には、遺産分割審判に移行します。

調停で決着が見られなかった場合、申立てを待たず自動的に審判に移行します。

出来るだけ、当事者での話し合いで決着をつけることが望ましいことから、調停を経てからしか、審判が出来ないことになっています。

 

このようにして、遺産分割の割合が決まりました。

では次に、具体的な分割の方法について見てゆきたいと思います。

 

4種類の分割方法

遺産分割の方法には、以下の4つがあります。

  1. 現物分割
  2. 代償分割
  3. 換価分割
  4. 共有取得による分割

 

遺産分割においては、①の現物分割が原則的な方法になります。

 

けれど、これが困難である時には、代償分割、換価分割、共有取得による分割の順で、適した方法を選択することになります。

順にご説明してゆきます。

 

1.現物分割

例えば、A土地は甲に、B建物は乙に、という風に、現物を分配することを指します。

遺産そのものを現状のままの状態で、共同相続人で分割する方法です。

 

2.代償分割

例えば、自宅の土地建物は甲さんに取得させ、その土地建物の価格に見合わない少ない額の預貯金を相続した乙には、甲から代償金を支払う、という方法です。

 

この場合に注意しなければならないことがいくつかあります。

甲が代償金に代えて自己の土地を交付した場合には、代償金では無く、土地の譲渡と扱われます。

また、遺産分割協議の成立後に、協議の内容とは別に共同相続人の間で行われる金銭のやりとりは、相続により取得したものとは見なされないことなります。

 

このように、特定の相続人に、相続分を超えて遺産の全部又は一部を現物で取得させ、取得者から相続分に満たない遺産しか取得していない他の相続人に対し、代償金を支払うという債務を負担させる方法を代償分割と言います。

 

3.換価分割

例えば、相続財産が一筆の土地しか無い場合、その土地を売った金額を、相続人で分けることを想定してください。

このように、換価分割とは、遺産そのものを分割せずに未分割のまま換金しその代金を共同相続人で分配する方法を言います。

換価分割は、イメージしやすく簡便なようにも思われます。しかし、実際には、

  • 希望する金額で売却できないリスク
  • 売却時期がいつになるか分からないリスク
  • 修繕などの出費がかかる可能性

などのリスクがあることも考慮しなければなりません。

また、換価分割を行った場合には、遺産分割協議書に記載する必要があります。

 

4.共有取得による分割

現物分割、代償分割、換価分割が相当でなく、かつ、共同相続人の間で対立が無い場合には、遺産の全部または一部を共同相続人の全員または一部の者の共有にする方法です。

ただし、ここでも注意が必要です。

共有のまま、相続を繰り返していくと、どんどん共有者が増え、将来売却したい時に手続きが複雑になるなど、問題が起こる可能性が増えてゆくからです。

問題を先送りしないためにも、共有取得による方法は、慎重に考慮する必要があります。

 

失敗しない!遺産分割

 

以上、遺産分割の3種類の手続きと4種類の方法をご説明しました。

相続は、急に始まります。

その時に悩まないためにも、こんな方法があって、こんな注意点があるのだと知っているだけで、失敗を避けることができますね。

 

当事務所へのお問い合わせはこちらから承っております。

関連記事

ページ上部へ戻る