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【知っとく!】配偶者のみに全財産を残す遺言書

配偶者のみに全財産を残したい場合

 

お子様がいないご夫婦の場合、遺言書がないと、相続の場に亡くなった配偶者の両親や兄弟姉妹、あるいは甥や姪までが登場する可能性があります。

頼りの夫が亡くなり、残された妻にとっては、配偶者のこれらの身内との遺産についての話し合いは、とても負担の大きいものになります。

 

では、残された配偶者のみに遺産を残したい場合には、どのような遺言書を残せば良いのでしょうか?

近年は、家族の在り方が多様化し、婚姻関係にないいわゆる内縁の関係にあるご家族も増えています。

実際には、夫婦同然に助け合い、生活しているのですが、内縁の妻には相続権はありません。

その場合にも、内縁の妻に財産を残したい場合には、遺言書が不可欠になります。

 

配偶者のみに全財産を残したい場合の、遺言書の書き方

 

残された配偶者の老後を案じ、全財産を配偶者に残す遺言書を作成する場合には、遺言書の文面は端的に

「全財産を配偶者(氏名)に相続させる」

と記載することになります。

ここで、妻または夫、とだけ記載するのではなく、氏名・住所・生年月日を記載し、個人を特定しておくことが大切です。

また、気をつけることが2点あります。

  1. 両親には遺留分がある
  2. 借金が有る場合には、借金も相続させることになる

 

1.について

両親と配偶者が相続人である場合には、両親には相続財産の1/6の遺留分があります。

全財産を配偶者のみに相続させる遺言書を作成する場合、場合によっては全財産を相続した配偶者は、両親から遺留分侵害請求を受ける場合があります。

その点につき、前もって十分に話し合っておくか、遺留分を侵害しないような対策が必要になります。

2.について

また、借金がある場合には、「全財産を相続させる」遺言書は、借金も配偶者に相続させてしまうので注意が必要です。

借金の額を正確に把握し、相続財産の中から精算できるような段取りを考えておく事が必要です。

 

遺言書の形式要件を備えていることが大前提

 

配偶者に全財産を相続させる遺言書であっても、もちろん、遺言書の形式要件を満たしていることが必要です。

自筆証書遺言でしたら、

  • 全文を自書すること
  • 日付の記載・署名・押印をすること

にも、留意する必要があります。

 

知っとく!

以上のように、配偶者のみに全財産を残す遺言書は、他の要件も整っているならば有効です。

配偶者以外にも相続人がいる場合には、遺留分にも気をつけつつ、遺言書を作成する必要があります。

 

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