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【準備OK!】遺言書が封筒に入っていなかったら?

遺言書が封筒に入っていなかったら?

 

遺言書の作成は、法律により方式が厳しく定められ(民法第960条以下)法律の規定によらずに作成された遺言書は、効力が認められません。

しかし、遺言書を封筒に入れるかどうかは、法律で定められていません。

秘密証書遺言の場合にのみ、その性質から「遺言者がその証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印をする」(民法972条)と「封」についての言及があります。

しかしここでも「封筒」を利用するかどうかは、明示されていません。

 

では、遺言書は封筒に入れないと、有効な遺言書として認められないのでしょうか?

本稿では、自筆証書遺言を作成する場合を前提に、ご説明してゆきます。

 

封筒に入っていない遺言書も有効

 

結論からお話すると、封筒に入っていない遺言書も、封筒に入っていないことを理由にただちに無効になるものではありません。

法律上、遺言書が無効になるのは、遺言の形式に不備がある場合です。

  • 自筆で記載されていない(968条1項)
  • 日付が無い(同条)
  • 署名・押印が無い(同条)

また、内容についても遺言者の真意に基づいて作成されたものでは無い場合には、そもそも遺言をする意思が無く、無効になります。

 

遺言書を封筒に入れないと起こるリスク

 

封筒に入っていない遺言書が、直ちに無効になるのではないとしても、封筒に入れないことにより、大きなリスクが生じます。

まず、自筆証書遺言は、家庭裁判所での検認を受けないと勝手に開封してはなりません(民法第1005条)。

勝手に開封した場合には、5万円以下の過料に処せられてしまいます。

このような罰則とともに、封筒に入っていない遺言書のには、大きなリスクがあります。

遺言書の、偽造や変造の恐れです。

不正を防ぐためにも、封筒に入れることをお勧めします。

 

遺言書の用紙・封筒はどのようなものを利用したらいいか

 

遺言書の用紙・封筒に、どのようなものを利用したらよいかも、悩ましいところです。

用紙についての選択も、決まりはありません。

ただ、のちにインクがにじんだり、文字が読みにくくなったりすると、遺言書に疑義が生じ、もめごとにつながりかねません。

そこで、遺言書や封筒の用紙は、保存に優れたものを用意することをお勧めします。

最近では、遺言書作成キットを文具店で買い求めることができます。

用紙や封筒に迷ったら、それらを利用することをお勧めします。

 

封筒には何を書くか?

 

遺言書を封筒に入れたら、何を記載したら良いのでしょうか?

表面には「遺言書」と表題をつけます。

裏面には「家庭裁判所の検認を受けるまで開封しないこと」の注意書きと、日付・署名・押印をします。

また、封をしっかりのり付けして、封じ目に封印を押します。

この時の印鑑は、遺言書に押印したものと同一のものを利用します。

 

準備OK!

封筒に入っていない遺言書も有効ですが、のちのもめごとを防ぐためには、封筒に入れることをお勧めします。

 

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