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遺言書を夫婦で一緒に作成できる?

夫婦で一通の遺言書を残すことは出来るの?

 

遺言書をご夫婦で一緒に作成できるのでしょうか?

「一緒に」とは一通の遺言書で二人が遺言を残すことを指します。子供たちにより強く親の意思を伝えてゆきたい、夫婦で一通の遺言書なら手間も掛からない、そんな風に考える方も多いと思います。

 

民法975条は、共同遺言を禁止しています。

(共同遺言の禁止)

第九百七十五条 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。

出典:e-Govポータル (https://www.e-gov.go.jp)

このように、条文でははっきりと、共同の遺言書の作成を禁止しています。

 

確かに、裁判では『内容上、単独の遺言であることが明確なほどに独立性がある場合には、有効と解してよい(東京高決昭57.8.27)』とされるものや、『遺言書が夫の部分、妻の部分に簡単に切り離せるもので、文章が別々に記載されているような場合は無効にならない(最判平成5.10.19)』などといった、例外的に有効性を認めるものもあります。

しかし、これはあくまで例外で、原則は共同遺言は民法上禁止されています。

では、どうして共同遺言は禁止されているのでしょうか?

 

共同遺言の禁止の趣旨

2人以上の人が、同じ証書で遺言をすると、一方の遺言者の意思が、他方の遺言者の意思を制約するおそれがあります。

また、一人の意思によって撤回することが困難になる恐れもあります。

よって、民法は、遺言は本人の意思に基づいてなされる単独行為として規定しています。

 

遺言書をご夫婦で作成したい場合

遺言書をご夫婦で作成したい場合には、夫婦別の書面で遺言書を作成することをおすすめします。

子どもたちに最後の意思を伝えたい、または、相続の手間を掛けたくないと考えてした遺言が、無効になってしまっては元も子もありません。

 

当事務所では遺言書作成サポートを承っております。

お問い合わせはこちらからお願いいたします。

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