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8.182021
【失敗しない!】非嫡出子と相続について
嫡出子と非嫡出子
嫡出子とは、婚姻関係にある男女の間に生まれた子をいいます。
法律上の夫婦でない、内縁関係にある男女の間に生まれた子は、嫡出子ではありません。
嫡出子でないと、相続の場面で、父(または母と)親子関係が無い、ということになり、相続人となりません。
非嫡出子が相続人となるのは、父(または母)に認知された場合になります。
非嫡出子と認知
婚姻していない男女の間に生まれた子は、認知によって親子関係が生じます。
そしてその効果は、子の出生時に遡って発生します(民法784条)。
認知されると、父(または母)の戸籍に、認知した旨が記載されます。
認知の請求方法
認知には、任意認知と強制認知があります。
- 任意認知は、父(または母)が、任意にする認知をいいます(民法799条)。
原則として、認知される側の同意を得る必要はありませんが、子が成人の場合には、子の承諾がなければ認知はできません(民法782条)。
また、父は胎児を認知することもできますが、その場合には、母親の承諾が必要です(民法787条2項)。
認知は戸籍の届出によってすることができます(781条・戸籍法60条・61条)。
また、遺言によって認知をすることもできます(781条2項)。
この場合は、遺言執行者が戸籍の届出をします(戸籍法64条)。
- 強制認知は、裁判によって認知を強制することを言います(家事277条)。
父(または母)の死後も、検察官を相手方として、死後認知の訴えをすることが出来ます(人訴42条1項・2条2項)。
ただし、父又は母の死亡の日から3年を経過すると、認知の訴えを提起することはできません(787条ただし書き)。
認知された非嫡出子の相続分は?
かつて、非嫡出子の相続分は、嫡出子の相続分の半分とされていました。
そのような規定が設けられていた趣旨は、家族制度や婚姻関係の尊重にありました。
しかし、非嫡出子には、その出生の状況に何ら責任がないこと、また、家族の在り方が多様化していることから、この民法の規定が見直され、2013年9月5日に改正されました。
現在は、嫡出子と認知された非嫡出子の相続分は、同じです。
失敗しないポイント!
非嫡出子の存在が、被相続人の死後にあきらかになった場合には、事実を知らなかった相続人は動揺し、遺産分割がスムーズにすすまない可能性があります。
生前に非嫡出子の存在が分かっていたら、全員にとって、心の準備やその他の準備ができることになるかと思われます。