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遺言書を取りやめる方法

遺言書をとりやめたいとき

 

私は70歳になったとき、遺言書を作った。

まだまだ元気だけれども、何があるかは誰にも分からない。

考えてみたら、夫が亡くなった時はバタバタしてばかりで悲しむ暇もないくらい手続きに追われたっけ。

子どもたちにはそんな思いはさせたくない。

しっかり遺言書を作っておいて、楽にしてあげたい。

 

それにとうとう両親ともいなくなったとなると、子どもたちだけで相続しなければならないし、どうなるか心配だ。

息子は結婚しているけど、あのお嫁さんは気に入らない。

我が家の財産を大切にしてくれるだろうか?

下の娘は未だ独身だ。

とても優しいし気が利くけど、世の中に疎いから兄嫁にいいようにされるんじゃないかと、とても心配だ。

やっぱり娘にはしっかりと自宅が渡るようにしたい。

もし、一生独身で兄嫁に追い出されたら娘の行く末が心配だもの。

最初の遺言では兄に自宅を渡す、としていたけど妹の方に渡すようにしたい。

妹が結婚したら、兄に渡せばいい。

 

そうだ、やっぱり前の遺言書をとりやめよう!

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「私」は、未婚の妹の行く末を心配し、住む家の相続を、兄ではなく妹に変更したいと考えています。

このように、法律に適合した遺言書が作成されたけれど、効力が発生していない遺言書をとりやめたいと思った時に遺言書を撤回することは出来るのでしょうか?

遺言書は撤回できる

遺言者は、いつでも遺言の方式に従って、その遺言の全部または一部を撤回することができます(民法1022条)。

また、遺言者は、遺言を撤回する権利を放棄することが出来ません(民法1026条)。

遺言は、遺言をした人の最後の意思を尊重するための制度です。

ですので、いつでも撤回できることが民法上定められています。

 

遺言書の撤回の方法

  1. 前の遺言を撤回する旨の遺言をする(民法1022条)
  2. 前の遺言に抵触する内容の遺言をする(民法1023条第1項)
  3. 前の遺言に抵触する生前処分その他法律行為をする(民法1023条第2項)
  4. 遺言書を破棄する(民法1024条)ただし、公正証書の謄本・正本を破棄しても撤回の効力を生じない
  5. 遺贈の目的物を故意に破棄する(民法1024条後段)

このような方法で、遺言書は撤回できます。

撤回された遺言は効力を回復しませんので、新しく遺言書を作り直す必要があります。

 

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