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【知っとく!】特別な状況での遺言

差し迫った状況にあるときの遺言の方法

 

遺言の方式には、普通方式の遺言と、特別方式の遺言があります。

普通方式の遺言には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があります。

それぞれ、厳格な要式性を求められています。

そして、その要式を満たすことができないと、遺言書は無効になります(民法960条)。

このような厳しい条件を付した法律の意図は、遺言者の真意を明確にするとともに、のちのもめごとを防ぐためです。

 

しかし、上記のような遺言書を用意する時間が無いような、差し迫った命の危険がある時があります。

そのような差し迫った状況でもできる遺言が、特別方式の遺言です。

 

遺言書の方式のまとめ

1.普通方式の遺言

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言

2.特別方式の遺言

  • 死亡危急者遺言
  • 伝染病隔離者遺言
  • 在船者遺言
  • 船舶遭難者遺言

 

死亡危急者遺言の方法

この遺言は、疾病その他の事由により、死亡の危険が迫った人が遺言するときのものです。

証人2人が立ち会い、そのうちの1人に遺言の趣旨を口頭で伝えることで、遺言します。

口頭で伝えられた人は、その内容を筆記し、遺言者と他の証人に読み聞かせるか、書いたものを見せる方法で、確認し、各証人がその筆記が正確なことを認めたのち、署名・捺印します。

作成された遺言は、遺言の日から20日以内に、証人の1人または利害関係人から家庭裁判所に請求して、確認を得なければ、遺言としての効力を生じません。

 

伝染病隔離者遺言の方法

伝染病のため、行政処分によって交通の断たれた場所にいる人が、警察官1名、証人1人以上立ち会いのもと作成します。

 

在船者遺言の方法

船舶中にいる人が、船長又は事務員1人及び証人2人以上の立ち会いのもと、作成します。

 

船舶遭難者遺言の方法

船舶が遭難した場合、船舶中にいて死亡の危急がある人が、証人2人以上の立ち会いのもと、口頭で遺言する方法です。

証人は、遺言の趣旨を筆記して、署名・捺印します。

作成された遺言書は、証人の1人または利害関係人から、遅滞なく、家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、効力を生じません。

 

特別方式の遺言は、あくまで例外

特別方式の遺言は、あくまでも例外です。

ですので、特別方式の遺言をしても、遺言者が普通方式の遺言をすることができるようになった時から6ヶ月間生存するときは、効力を生じません。

 

知っとく!

遺言は、遺産分割において、重要な役割を担います。

ですので、原則は普通方式の遺言を必要とし、普通方式の遺言をすることが許されない限られた状況にある場合、特別方式の遺言をのこすことが、定められています。

 

当事務所では、遺言書の作成サポートを承っています。

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