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8.232021
【知っとく!】特別な状況での遺言
差し迫った状況にあるときの遺言の方法
遺言の方式には、普通方式の遺言と、特別方式の遺言があります。
普通方式の遺言には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があります。
それぞれ、厳格な要式性を求められています。
そして、その要式を満たすことができないと、遺言書は無効になります(民法960条)。
このような厳しい条件を付した法律の意図は、遺言者の真意を明確にするとともに、のちのもめごとを防ぐためです。
しかし、上記のような遺言書を用意する時間が無いような、差し迫った命の危険がある時があります。
そのような差し迫った状況でもできる遺言が、特別方式の遺言です。
遺言書の方式のまとめ
1.普通方式の遺言
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
2.特別方式の遺言
- 死亡危急者遺言
- 伝染病隔離者遺言
- 在船者遺言
- 船舶遭難者遺言
死亡危急者遺言の方法
この遺言は、疾病その他の事由により、死亡の危険が迫った人が遺言するときのものです。
証人2人が立ち会い、そのうちの1人に遺言の趣旨を口頭で伝えることで、遺言します。
口頭で伝えられた人は、その内容を筆記し、遺言者と他の証人に読み聞かせるか、書いたものを見せる方法で、確認し、各証人がその筆記が正確なことを認めたのち、署名・捺印します。
作成された遺言は、遺言の日から20日以内に、証人の1人または利害関係人から家庭裁判所に請求して、確認を得なければ、遺言としての効力を生じません。
伝染病隔離者遺言の方法
伝染病のため、行政処分によって交通の断たれた場所にいる人が、警察官1名、証人1人以上立ち会いのもと作成します。
在船者遺言の方法
船舶中にいる人が、船長又は事務員1人及び証人2人以上の立ち会いのもと、作成します。
船舶遭難者遺言の方法
船舶が遭難した場合、船舶中にいて死亡の危急がある人が、証人2人以上の立ち会いのもと、口頭で遺言する方法です。
証人は、遺言の趣旨を筆記して、署名・捺印します。
作成された遺言書は、証人の1人または利害関係人から、遅滞なく、家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、効力を生じません。
特別方式の遺言は、あくまで例外
特別方式の遺言は、あくまでも例外です。
ですので、特別方式の遺言をしても、遺言者が普通方式の遺言をすることができるようになった時から6ヶ月間生存するときは、効力を生じません。
知っとく!
遺言は、遺産分割において、重要な役割を担います。
ですので、原則は普通方式の遺言を必要とし、普通方式の遺言をすることが許されない限られた状況にある場合、特別方式の遺言をのこすことが、定められています。
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