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8.122021
【準備OK!】限定承認をする場合と、手続きについて
限定承認を選ぶときは、どんなとき?
限定承認とは、相続によって得た財産の限度においてのみ、被相続人の債務を負う相続の形態を言います(民法929条)。
では、どういった場合に限定承認をするのでしょうか?
被相続人の財産が、負債の方が多いことがはっきりしている場合で、負債を引き継ぎたくな
い場合には、相続放棄の手続きをとるのが良いと考えられます。
これに対して、被相続人の財産が、プラスになるのかマイナスになるのか分からない場合で、引き継ぎたい者がある場合、限定承認の方法を選択することができます。
限定承認の手続きの流れ
限定承認を決めると、どのような手続きをする必要があるのでしょうか?
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熟慮期間中に手続きすること
熟慮期間とは、「自己のために相続が始まったことを知ってから3ヶ月以内」です。
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被相続人の最期の住所地を管轄する家庭裁判所に申述します
添付書類
- 財産目録
- 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸除籍謄本
- 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
- 申述人全員の戸籍謄本
- 被相続人の子で死亡している方がいる場合,その子の出生時から死亡時までのすべての戸除籍謄本
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相続人が数人あるときは、共同相続人全員でしなければ、限定承認はできません
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判所が申述を受理することによって、限定承認の効果が生じます。
限定承認が受理されたあとの手続き
限定承認が認められると、相続財産の清算手続を行わなければなりません。
相続人が数人いる場合、または、相続財産の管理をすることができないなどの事情がある場合には、裁判所によって、相続財産管理人が選任されます(民法936条第1項・926条2項・918条2項・3項)。
限定承認をした者、相続財産管理人に選任された者は、以下の手続きをしていきます。
限定承認者の場合は5日以内,相続財産管理人の場合は選任後10日以内に,限定承認をしたこと及び債権の請求をすべき旨の公告(官報掲載)の手続をします。
その後は,法律にしたがって,弁済や換価などの清算手続を行っていくことになります。
精算の終わりはどうなるの?
精算が終了すると、被相続人のマイナスの財産が残らない場合と、精算してもなお、マイナスの財産が残る場合の2つに分かれます。
マイナスの財産が残っても、限定承認をしているのですから、相続人は弁済の責任を負いません。
しかし、マイナスの財産が残っても、相続人がそれを認めて弁済すると、それは通常の弁済と同様として認められます。
「この額なら弁済できる」という額なら、弁済をすることも可能です。
限定承認は手続きが多く、複雑
限定承認は、手続きが多く、時間がかかります。
なので、限定承認をするかどうかは、よく考える必要があります。
一方で、限定承認の利用が、有効である場合もあります。被相続人のマイナスの財産がどれくらいか分からないけれど、相続財産のなかに、経営する会社の未上場株式や自宅など、絶対に相続したい財産がある場合です。
このように、限定承認にはメリットデメリットがあることを、知っておくことが大切です。
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