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【準備OK!】自筆証書遺言の保管制度を利用する時の手続きは?

自筆証書遺言のメリット・デメリット

 

自筆証書遺言は、思い立ったらすぐに作成出来るという簡便さがある反面、遺言書本文・財産目録ともに法的要件を満たさなければならなず、また、そもそも亡くなった後で遺言書を見つけてもらえるか、また見つけて貰えても、改ざんや破棄などの恐れがあるという、メリットとデメリットがありました。

そのデメリットを払拭するために、新法では自筆証書遺言の作成時の要件が緩和され、「法務局による遺言書の保管等に関する法律」により法務局で自筆証書遺言が保管出来ることになりました。

これにより、高齢化社会の進展に伴う、相続によるもめごとが予防できる、という期待が高まっています。
また、遺言書の作成の促進にもつながると考えられています。

自筆証書遺言のメリット
  • 自書能力さえあれば、思い立ったらすぐに作成できる
  • どこでも作成できる
  • 特別の費用がかからない
自筆証書遺言のデメリット
  • 内容が法的要件を満たしていないことがある
  • 形式面でも筆記用具、用紙、署名、捺印などの要件を満たしている必要がある
  • 紛失・偽造・改ざんの恐れがある
  • 作成に第三者が関わらないと、内容の真偽についてあらそいが起こることがある
  • 検認の必要がある など

自筆証書遺言の保管制度の利用の段取り

自筆証書遺言を法務局に保管してもらいたい、と思った場合、どのようにしたら良いのでしょうか?ご説明してゆきます。

 

  1. 申請する法務局

  • 遺言書の保管を申請する場合、遺言者の住所地、若しくは本籍地又は遺言者の所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所の遺言書保管官に対してしなければなりません。

(遺言書保管法第4条3項)。

 

  1. 遺言書の保管の申請者

  • 遺言書の保管の申請には、遺言者が自ら出頭して行わなければなりません(同法4条6項)。
  • 既に、他の自筆証書遺言を遺言書保管所に預けている場合には、同じ遺言書保管所に申請になければなりません(同法4条3項)。
  • 遺言者が翻意して、保管の申請を撤回する場合には、遺言書が保管されている遺言書保管所に再度、出頭しなければなりません(同法8条3項)。

 

  1. 申請の際に持参する書類

  • 自筆証書遺言書
  • 法務省指定の申請書
  • 本籍記載のある住民票の写し(申請から3ヶ月以内に発行のもの)
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • 手数料:一通につき3,900円(収入印紙で納付)

 

  1. 保管証の受け取り

  • 遺言者の氏名
  • 出生の年月日
  • 遺言書保管所の名称
  • 保管番号

が記載された保管証が、交付されます(遺言書保管省令第15条1項・2項)。

遺言者は、保管証があることで、遺言書を遺言書保管所に保管していることを、相続人などに伝えておくことが出来ます。

 

 

遺言書の保管申請が却下される場合

 

以下の場合には、遺言書の保管申請が却下されます。(遺言書保管省令第2条各号)

  • 申請が遺言者以外の者によるときなど
  • 遺言書保管法第1条に規定する遺言書でないとき等 これは、自筆証書遺言で、かつ法的要件を備えていることを指します。
  • 管轄遺言書保管所の遺言書保管官に対する申請でないとき
  • 法定の方式により申請書が提出されないとき
  • 申請書に法定の添付書類を添付しないとき
  • 遺言者が出頭しないとき
  • 申請書などの記載が添付書類・遺言書の記載と抵触するとき
  • 手数料を納付しないとき

 

準備OK!

 

自筆証書遺言書の申請の段取りは、以上のようになっています。

準備の1番大切なポイントは、自筆証書遺言の法的要件を満たすことだと考えます。

 

 

当事務所では、遺言書の作成サポートを承っております。

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