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ご家族が自宅で亡くなった時の対応

ご家族が自宅で亡くなったとき

 

近年、ご自宅で最期のときを迎えたい、と希望される高齢者の方が増えていると聞きます。

我が国では、人の死亡は、医師によって確認されなければなりません(人の死の判定基準に関する法律:第2条)。

医師が常駐する病院で死亡した場合には、看取りから死亡診断書の発行までが病院内で行われます。

お亡くなりになった後、葬儀・埋葬をするには、死亡診断書が不可欠になります。

しかし、医師の居ない自宅で、家族が亡くなった場合は、どのように対応したら良いのでしょうか?

 

ご自宅でご遺体を発見したとき

ご家族が倒れているのを発見すると、親族の心情としては、まず助け起こそうとします。

医師や看護師でなければ、既に亡くなっているのか、それとも存命なのかを判断することは、難しいと思われます。

ましてや、大切なご家族なのですから、気持ちが動転してしまいます。

亡くなっていることが判然としない場合には、すぐに救急車を呼んでください。

そして大切なことは、もう亡くなっている、と分かった場合には、ご家族の身体を動かさない事です。

 

救急隊員が死亡を確認したら

救急隊員が到着し、死亡の確認がなされたら、警察に連絡をします。

病院で医師の立ち会いのもと、臨終が確認された場合以外の死は、我が国では「異状死」と見なされます(医師法:第21条)。

警察による事件性の有無が調査されるに際して、ご遺体がお亡くなりになった状態と違っていたら、死因の特定の妨げになります。

警察の嘱託医が呼ばれるか、かかりつけ医がいる場合にはかかりつけ医が呼ばれ、ご遺体をあらためることになります。

ご家族の死が自然な死であった場合には、捜査はここで終わり、死体検案書(監察医が発行するものは死体検案書といいます)を受け取ります。

 

このあとは、葬儀の準備が始まります

ご自宅で突然ご家族が亡くなった場合には、とても動揺します。

そして、次に取る行動を素早く判断してゆく必要があります。

もし、救命が出来る状況であったら救命をしなければなりません。

お亡くなりになったのでしたら、かかりつけ医がいない場合には警察の介入を受ける事になります。

 

一つの例として

今回のテーマは、筆者と家族が、9年前に経験した事実をもとにご説明しました。

警察による介入を受けても、疑いを持たれたりと言った、不快な思いは一切ありませんでした。

淡々と、生前の様子や最期に連絡をした時のこと、ご遺体を発見した状況についての質問があり、それに返答するといったものでした。

そして、死体検案書発行から葬儀までもスムーズに出来ました。

ご遺体を警察署に動かしたり、司法解剖をしたりといったこともありませんでした。

監察医があらためた後は、葬儀社の方にご遺体を綺麗にしていただき、住み慣れた自宅に安置することが出来ました。

ご遺体の状況・自治体によって変わってくるかも知れませんが、一つの例として参考にして頂けたら幸いです。

 

人生100年時代

できれば、住み慣れた自宅で、家族に囲まれて最期の時を迎えたい、と考える方も多いと思います。

その際にも準備は必要です。

かかりつけ医とのコミュニケーションを取り、自宅での看取りの希望を伝え、準備をしておく必要があります。

人の死はさまざまです。

突然に倒れて亡くなる、という事もあります。

また、準備をしてもしても、仕切れない部分もあります。

その時は、ご家族と想いを共有していただけたらと思います。

今回お話したような対応を、ご家族が知っていたら、慌てず適切な行動できることと思います。

 

 

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